[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2907]

わたしメディア

みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。

連日のように、特定の政治家や芸能人、また一般人さえもメディアが叩くような報道や記事を
目や耳にします。
特に最近はテレビをはじめとするオールドメディアの「ふてほど(不適切報道)」が話題です
が、いくら思想・表現・報道の自由があるとはいえ、はっきり言って不快です。
でもこの「ふてほど」は、自分自身にも当てはまること。
私たちもSNSを発信するという点において、また普段の生活においても、誰もが他者に何か
を伝える「メディア」としての役割を果たしていると考えられます。
勝手ながら「わたしメディア」と名付け、決して他人事ではない問題を考えます。

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■■わたしメディア
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◆私が住む兵庫県で行われた先の知事選挙は、色んな意味で全国的なニュースとなりました。
その過程はもちろん選挙後の今でも、しつこいほどにメディアによる報道が続いています。
特にオールドメディアと言われるテレビ等では知事本人や知事側とされる人に対する批判的
な報道が多く、メディアリンチとも言える状況が見受けられます。
SNS上では様々な論調が飛び交い、オールドメディアとは逆側への批判的投稿も多数。
選挙戦では候補者のプライバシーが侵害されることも度々あり、個人攻撃が行われることが
問題視されました。

◆言うまでもありませんがメディアの影響力は強く、私たちの意識や行動に大きな影響を及
ぼします。
テレビやWebニュースなどのメディアでは取り上げる情報を選択的に報道することができ、
視聴者の関心や認識を方向づける力さえも持っています。
悪意すら感じることも多々ありますが、そういう偏った情報は視聴者に誤った認識を植え付け
かねません。
だからこそSNSやYouTubeなどWebメディアへの関心や信頼が高まっているのだと思いま
すが、そこはとにかく玉石混交、視聴する私たちのリテラシーや判断力が求められます。

◆こういったメディアに関する議論は、それこそWeb上を中心に活発に行われています。
ただ、この問題を考えるにおいて私たちは単なる視聴者・傍観者ではなく、時には「発信者
(メディア)」にもなり得ることを意識する必要があります。
SNSやブログなどで情報を発信することはもちろんですが、職場や私生活において誰かに何
かを伝える時、私たちはその誰かにとってメディアとなり得るのです。
特定の人や事象に対する偏見を助長するような発言は、悪意の有無に関わらず他者を傷つけ
たり誤解を招いたりすることがあります。
つまり、私たち一人ひとりが発信者としてメディアの役割を担っているということです。

◆例えば職場において上司・部下・同僚に対する失礼な発言は人間関係を損ね、職場環境を
悪化させてしまいます。
プライベートな場においても、家族や友人に対する無神経な発言は相手を深く傷つけてしま
うことがありますよね。
悪意はなくとも、一言で相手を傷つけてしまう可能性は常にあるのです。
そして怖いのは、それは直接だけではなく間接的にも起こり得るということ。
確かめもせずに拡散したデマや噂話は多くの人に誤った情報を植えつけトラブルを引き起こ
しかねませんが、「そんなつもりは無かったんです」など得てして悪意が無い場合のほうが
混乱しがち・・・のような気がします。
その一方、思いやりのある発言は他者を励まし、良好な人間関係を築くことにも繋がります。
わたしメディア、責任重大です。

◆月並みな説明になりますが、「わたしメディア」として適切な発言をするためには、まずは
事実関係を確認する習慣を身に付けることが重要です。
情報の出所を確かめ、真偽を見極めることでデマや噂を避けられます。
SNSで拡散された情報も鵜呑みにするのではなく、その内容を確認する意識が求められます。
また相手の立場に立って考えることも大切であり、自分の発言がどのように受け取られるかを
考える「想像力」や、言葉遣いにおける「気遣い力」は特に重要と言えます。
加えるとすれば、建設的な発言を心がけることでしょうか。
批判的な言葉ではなく前向きな提案や励ましの言葉を選ぶ、これも想像力に関係しますね。

◆メディアリテラシーを高めるとともに、自分自身もメディアの一員との自覚を持つこと。
職場での人間関係が、たった“一人”のメディアからの“一言”でトラブルに発展すること
もあり得る。
マネジメントするうえでも気をつけなければいけませんね。
もちろん、わたし自身も。

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私自身テレビ視聴よりもスマホで情報を得る時間が圧倒的に多くなりました。
かつてテレビの登場によって映画産業が衰退したように、ネットの登場・台頭によって今度
はテレビが衰退する。
もちろんそれぞれのメディアとしての価値や役割をもって共存することが求められますが、
歴史は繰り返しますね。