みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。
大型の台風が接近しており、各地で被害が出はじめています。
今年に入って大きな地震も度々起こっており、近年、地震や台風といった自然災害リスクに
関する情報に接する機会が増えてきましたね。
特に南海トラフや首都直下型地震など日本が抱えるリスクは非常に大きく、その影響は計り
知れません。
様々なニュースを目にして考えることがあり、テーマとして採り上げたいと思います。
それでは本日のメルマガです。
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■■防災リハビリ
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◆今年の介護報酬改定において、介護事業者に対してBCP(事業継続計画)の策定が義務付
けられました。
一定の経過措置期間を経て、今年3月末までに策定することが必須とされ、4月以降にBCP
を策定していない事業者は基本報酬減算のペナルティ対象となります。
介護業界におけるBCPとは、地震や台風といった自然災害や感染症の流行などの緊急事態が
発生した際に、利用者へのサービスを途切れさせることなく提供し続けるための計画のこと。
そして、BCPで策定するべきとして示されたのは以下のような項目です。
①事業継続の目標と方針
②事業影響分析と重要業務の特定
③事業継続(早期復旧)のための具体的な対策
④緊急時の連携および対応体制
⑤計画の維持・改善(定期的な見直しや訓練)
◆すでに大半の会社・事業所においては策定済みかと思います。
策定サポートだけでなく、有事に向けた設備やサービスの見直しなどご相談を受けること多く
ありますが、話をするたびに頭に浮かぶことがあります。
『高齢者自身の行動や備えについては触れなくて良いのだろうか』
BCPはあくまで会社・事業所としての対応策です。
◆太平洋に面した高知県では、県内各所で「防災リハビリ」なる取り組みが行われています。
行政としての関与はもちろんですが、民間事業者が率先して取り組むケースも。
台風や地震による津波などの自然災害リスクと向き合う地域であり、行政のホームページを
見ても防災に対する情報発信量は多く、意識の高さを感じます。
そして、その取り組み内容は大いに参考になります。
介護職として働く人たちだけでなく高齢者自身にも「健康状態の把握」「避難場所の理解」を
求め、実際の「避難行動の訓練」が行われています。
◆目にした資料の中に、訓練に参加した高齢者の声が載っていました。
『避難場所まで自分の足で向かえることが一番の防災対策だ』
確かに、緊急時に自力で避難できるかどうかは、生死を分ける重要な要素となります。
高齢者が自身の身体機能を維持し、災害時に迅速に対応できるようにするためには、日常的
な運動やリハビリが欠かせません。
◆提案なのですが、介護事業所が策定するBCPに「有事を想定した利用者・入居者の健康
維持や運動・リハビリに対する取り組み」について加えてみてはどうでしょうか。
業界に身を置くものとして、意識するべき大切なことだと改めて感じています。
自立や自助など、高齢化が進む中で「自」というのがキーワードになりそうです。
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2週間ぶりに再会するメルマガ。
来週以降も引き続きよろしくお願いいたします。
台風10号の行方が気になります。
進路状況によっては大荒れの天気が続く見込みとのこと、くれぐれもお気をつけください。