[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2843]

街の未来を考える(メルマガ夏休みを前に)

みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。

先週から今週にかけて、国や自治体の方々と介護に関する意見交換の機会が続きました。
主に介護保険制度に関する話し合いを行ったのですが、どうにも議論が噛み合いません。
うーん、イライラ。。
その特に頭に浮かんだのが本日のタイトル『対処療法と予防策』についてです。

それでは本日のメルマガです。

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■■街の未来を考える(メルマガ夏休みを前に)
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◆お隣の国である韓国、統計庁の2023人口住宅総調査と国家統計ポータルによると、韓国の
大邱(テグ)市軍威(クヌィ)郡が全国で初めて老年化指数が1000を超えたそうです。
老年化指数とは15歳未満の人口100人当たりの65歳以上の人口を示す指標であり、軍威郡
の老年化指数は2023年に1033.8に達し、前年の920.5から大幅に増加しています。
数字を言葉に言い換えると、15歳未満の子ども1人に対して高齢者が10人以上いることにな
ります。

◆全国229の市郡区のうち老年化指数が1000を超えたのは軍威郡が初めてとのこと。
突出した数字ではありますが、韓国全体でみても5年後の2029年に国の老年化指数は301
となることが予想されています。
子供1人に対して高齢者が3人。
その頃の軍威郡はと言うと、子ども1人に高齢者20人前後になる予測だとか・・・。

◆決して他人事ではなく、日本も同じような水準(300前後)になるとされています。
日本でも韓国と同様に少子化が深刻な問題として捉えられており、出生率の低下というキー
ワードとともにニュースでよく耳にします。
加えてただでさえ少なくなる子供が学校を卒業しても、街に残ってくれるとは限りません。
東京への一極集中と、地方都市の持続可能性危機。
自治体はあの手この手で出生率を高め、子育て世代の定住を促進し、卒業後の就職場を整備
し、そして地域外からの移住を呼びかけます。

◆過去のメルマガで、韓国内で広がるテクノロジーを活用した高齢者見守り支援サービスに
ついて紹介しました。
同様に、例えば労働力不足の問題を埋めるためのテクノロジー商品・サービスなども次々と
出てきています。
国や自治体が補助金等を含めた支援策を打ち出し、実証実験から実装まで急ピッチで進めら
れている様子。
日韓とも同じような課題に直面していますが、私が見聞きした印象からすると日本では行政
主導・大手企業主導でサービス開発やリリースがされているのに対し、韓国では課題解決策
の糸口を積極的にベンチャー企業に求めています。
どちらが良い悪いということはありませんが。

◆『異なる過去、同じ未来』
これもメルマガで紹介したことがある、日韓関係に関する韓国の大学教授の言葉です。
飲食・物販・文化面において日韓の交流は引き続き活発であり、相互に行き来する旅行者の
数も高水準です。
では街の未来に関する課題解決、その分野でのビジネス交流はどうでしょうか。
どうしても日本において福祉は行政主導という固定観念が根強く、法律面など制約が多いの
も事実ですが、私たち経営や現場にて福祉に関わるものとして、未来のために今何をするべ
きか/できるのか、積極的に他者(国)に学ぶ意識を持ちたいものです。

◆夏休み、そしてお盆を控えて帰省や旅行で様々な場所へ出かける方は多いかと思います。
観光を楽しむことはもちろん、普段生活する場所から離れて“未来”を感じる機会にもなれ
ばと思います。
遊びはもちろん、訪れる街の10年前はどうだったのだろう、10年後はどうなるだろうか、
そんなことを想像しながら感じる時間を過ごすも良いかも知れません。

◆私も久しぶりに実家(島根県大社町)でゆっくり過ごす予定です。
出雲市と合併したものの、もとの町の人口は14000人ほど。
出雲大社があるので多くの観光客で溢れますが、高齢化率は30%を超え、抱える課題は多く
の地域と同様です。
地元の10年後20年後を想像しながら、街のインフラに触れる休暇にしようと考えています。

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本文とは関係のない余談ですが。。
開催中の夏の高校野球に私の母校である大社高校が島根県代表として出場しています!
古豪と呼ばれたのは遠い過去の話で夏は実に32年ぶり、もう嬉しくて嬉しくて。
(1回戦は兵庫県代表の報徳学園、いきなり優勝候補。。)
30年前から比べると田んぼや畑が減り、幹線道路は増え、そして商店も(ちょっとだけ)
増え、車さえあれば生活はとても便利になりました。
町内唯一の高校の甲子園出場で大いに盛り上がる様子は今も昔も変わりませんけどね。

来週から2週間、メルマガも夏休みとなります。
私たちもしっかり充電し、また見識を広められる時間にします。
再開後も引き続きよろしくお願いいたします!