[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2794]

メンテナンスプラクティス

みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。

以前のメルマガでも書きましたが、私の数少ない趣味の一つがランニングです。
週末を中心に週3~4日は朝ランし、出張先にもシューズ等を持参し、毎月のように大会にも
エントリーしてモチベーションを保っています。
50歳を手前にしてから始めたランニングですが、かれこれ2年ほど続いており、タイムや色
んな身体数値の変化を眺めながら一人ニヤニヤ。

・・・それでも心折れることがあるのです。
つい最近ランニングを始めたばかりの同世代の人に、いとも簡単に記録を抜かれるとか。。
そんな時に読んだ本で出会ったのが、本日のタイトル『メンテナンスプラクティス』という
言葉です。

それでは本日のメルマガです。

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■■メンテナンスプラクティス
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◆みなさん『1万時間の法則』をご存じでしょうか。
簡単に説明すると、特定の分野で一流として成功するためには1万時間の練習・努力・学習
が必要だという法則。
裏を返せば、どんなことも1万時間を費やせば一流になることができるかも、とも言えます。
もちろん賛否それぞれの意見があります。
この『1万時間の法則』を唱えた学者が1996年に論文で発表したのが『メンテナンスプラク
ティス』という考えです。

◆論文の中では実験例として、熟年のピアニストが若いライバルと比べて週のうちピアノに向
かう時間が半分以下であっても同じだけのパフォーマンスを発揮できたと書かれています。
ここから導かれたのは「ある程度慣れた動作であれば、そのメンテナンスには、実はそこまで
時間を必要としないのではないだろうか」という示唆です。
そして、この論文を目にしたスポーツ心理学者は「スポーツにおいても同じことがいえるぞ」
と主張します。
その根拠として挙げられているのが、マスターズの陸上競技における実例です。

◆みなさん、学生時代に何かスポーツをされていましたか?
また、どれぐらい打ち込み、励んでいたでしょうか?
先述の学者によれば、ほぼ全てのスポーツ系の部活では2本足で地面を蹴って競技し、また
練習においては体力作りとして繰り返し走り込みを行います。
こうした期間において気づかぬうちに相当なランニングスキルが蓄積され、年を取ってから
ランニングを始めても若いころの“プラクティス”がスキルとして発揮されやすいのだと。
持久力も然り、社会に出てから不摂生な生活に浸ったとしても、どこかに潜在的なスキルが
残っているのだとも。
まぁ不摂生の程度にもよるでしょうが。

◆僕は、学生時代は剣道一筋。
どれほどランニングプラクティスが蓄積されているのかは分かりませんが、大会や練習会で
出会う“ランニング初心者なのになぜかツワモノ”に話を聞くと、確かに野球、サッカー、
ラグビーなど取り組んでいたとの答えが返ってきます。
ぐぬぬ。。。
悔しいけど、自分の持つプラクティスに目を向けて、それを活かす方法を考えるとします。

◆この話、なにもスポーツに限ったことではなく、仕事を含め様々な場面にも通じると思い
ませんか?
どんなことも、若い時に懸命に時間をかけて取り組んだことは、きっとプラクティスとして
蓄積されているのです。
そして、いざ発揮しようと思った時、まったく経験の無い人に比べてメンテナンス(発揮)
に時間を要しないのではないでしょうか。
きっと勉強でも同じですよね。
「算数なんか勉強して将来何の役に立つねん!」という子供がいれば、もしくは子供の頃の
自分自身に、メンテナンスプラクティスという言葉を教えてあげたい。
いつかは分からなくても、きっと自分を助けてくれるはず!

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加齢で衰えるのは肉体のパフォーマンスではない。
トレーニングを継続するためのモチベーションなんだ。

ランニングは多くのことを気づかせてくれます。

明日から6月ですね。
本日もありがとうございました!