みなさん、おはようございます。
金曜日のメルマガ担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。
先週の続きのような話ですが、ふと「地域」という言葉が気になりました。
考えてみると、普段からよく耳にし、また自ら口にもしています。
一口に地域と言っても、実は様々な分類があるようです。
その代表格が「認知地域」「実質地域」「活動地域」というもの。はて?
それでは本日のメルマガです!
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■■あなたにとっての地域とは
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◆「認知地域」「実質地域」「活動地域」とは、それぞれ地域を異なる視点から捉えた、経済
地理学で用いられる地域の分析的概念です。
調べてみると、次のような説明がされています。
「認知地域」とは個人や社会集団が自分たちの暮らしや活動に関連する地域を主観的に認識
したもの。
例えば、自分の故郷や出身地、好きな場所など。
「実質地域」とは地域の物理的・客観的な特徴をもとに定義されたもの。
例えば、気候や地形、土地利用、人口密度などが指標になる。
「活動地域」とは個人や社会集団が日常的に行動する範囲のこと。
例えば、自宅や職場、学校、買い物やレジャーの場所など。
一口に地域と言っても様々ですね。
でもこれらは学術的な分類の話であり、自分にとっての地域となると、どうでしょうか。
アイデンティティという観点から考えると認知地域となりますかね?いや活動地域かな?
◆地域に対するアイデンティティとは、私たちが自分が居る地域に対して持つ感情や価値観、
所属感や誇りなどのこと。
活動範囲が広いうちは、自らアイデンティティを感じられる場所へ出向くことができます。
それが遠方だろうと、またはSNS(ネット)上だろうと。
好きなこと(人・モノ)がそこにある、また自分のことを分かってくれる人がいるなど、私
たちは常に居心地の良い場所を求めています。
でも活動範囲が狭まるにつれて、アイデンティティを感じられる場所は、もっと言えばその
選択肢は少なくなっていきます。
◆福祉業界において私たちは、関わる方々の生活の質や生きがいを大切に考えます。
今いる地域・場所に対して愛着や満足感を持てば、そこでの交流や参加を積極的に行っても
らえ、健康や幸福感を高めることに繋がります。
逆に不満や孤立感を持たれてしまい交流や参加に消極的(または参加そのものの拒否)にな
ると、その地域・場所から活動や支援を受けにくくなり、結果として心身の不調を引き起こ
す可能性があります。
何に対してアイデンティティを感じるのかは人それぞれ。
したがって私たちは高齢者・障がい者等のニーズや意見を把握して尊重し、明日も、来週も、
これからも通いたい(居たい)と思われるような場所を目指します。
◆いよいよ来年の報酬改定に向けて議論が活発化してきましたが、その議論において数年前
からキーワードとして採り上げられる『地域包括ケアシステム』という言葉があります。
ここで言う地域とは何を指すのでしょうか?
厚労省のホームページで定義について調べてみると、次のような説明があります。
「地域包括ケアシステムにおける地域とは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供され
る日常生活圏域のこと。」
具体的には中学校区が基本とされているようですが、地域包括支援センターが中学校区ごとに
設置されており、中心的役割を担っていくからですね。
地域包括ケアシステムでは、住まい・医療・介護・予防・生活支援の5つの構成要素が一体的
に提供される体制を目指しており、自助・互助・共助・公助の4つの助が連携して支えること
が想定されています。
これもよく聞くセンテンスである
「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けること」
に向けて、そして
「持続可能な地域づくり」(はて、ここでの地域とは?)
を目指して、本格的な官民また民民の相互連携が求められてきます。
◆あれこれ考えると話がまとまらなくなってきますね。。
基本に立ち返って、目の前にいらっしゃる高齢者のことを考えます。
この方のご出身は?この町に住んで何年?趣味や好きなことは?
そもそもこの街が、この場所が好きですか?
今の環境に満足できていますか?
◆その人にとっての地域(場所)の一つであり続けるために、改めて日ごろの取り組みを見な
おしてみたいものです。
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ふと親のことを思い出します。
不便だろうに田舎でずっと暮らし続けているのですが、きっとその場所こそが親にとっての
唯一無二の住み続けたい地域なのですね。
正月には帰省しよう(シミジミ
今週もお疲れさまでした。
ステキな週末をお過ごしください!