[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2631]

エジソンの最後の発明

みなさん、おはようございます。
毎週金曜日の担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。

最近、各地の街づくりプロジェクト会議に参加する機会が増えています。
いかにして医療費や社会保障費の増加を抑えるか、そのために健康寿命を延ばす取り組みを
どうするのか、そんな議論が続きます。
そして、その中でも『認知症』に対する関心の高さを感じる機会が多くあります。
外出機会や運動による取り組みに加え、Aiを活用できないかとの議論も多く、実際の活用
イメージの説明も受けますが、可能性を感じる一方で別の感情も。。

それでは本日のメルマガです!

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■■エジソンの最後の発明
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◆数年前のNHK紅白歌合戦にて、Ai技術により蘇った故美空ひばりさんの歌う姿を記憶
されている方もいらっしゃるかと思います。
容姿はもちろん、歌声やクセまで、まるで本人が蘇っているのではと感じさせる場面でした。
Aiの大きな可能性を感じる一方で、このまま技術が進化するとどうなるのだろうかと不安
も覚えたことを思い出します。

◆画像データであれば「背景を自由に変更する」「不要なものを消す(消しゴムマジック)」
「閉じたまま写された目を開く」などの加工は瞬時にできて、もはや目にする写真や画像が
本物かどうか、その判別ができないほどです。
すでに活用されている方も多いのではないでしょうか。
フェイク画像やフェイク動画が大きなトラブルや事件に繋がることも度々世間を賑わせます。

◆前段で取り上げた街づくりプロジェクトの話なのですが、認知症の問題にAiをどのよう
に活用すると思いますか?
「亡くなった配偶者やペットを蘇らせ、コミュニケーションをとることで心を落ち着かせ、
また記憶や自我を取り戻す」
あえて分かりやすく説明すれば、こんな感じです。
そして故人が蘇るのに必要なのは、撮り貯めておいた画像や動画などデータだけ。
技術的なハードルは無く、すでに実用化もされています。

◆認知症の原因は様々あり、その機能維持・改善の取り組みも多岐にわたります。
先日のメルマガでは、その中から新薬について取り上げました。
そしてAiもまた、その維持・改善の新たな取り組みとして大きな注目を集めているのです。
故人を含めた思い出や記憶が、認知機能に与えるインパクトは小さくないのだと思います。
本人が望むことかどうか、は別として。
言い方が悪くなりますが、映し出す姿はフェイクであり、いくら認知症当事者とはいえ本人
の同意を得られないまま活用することには複雑な想いがあります。
決して、技術自体や活用することを否定するものではありません。
維持・改善を願う人にとって希望の光になるかも知れず、もし自分の両親が当事者になった
時、選択肢として提示されれば私も活用を考えるかもしれません。

◆話が変わりますが、誰もが知る世界の発明王トーマス・エジソン。
電話機、蓄音機、白熱電球、発電機、電気機関車、動画撮影機、アルカリ蓄電池、など。
挙げればきりがないほど多くの発明を行い、その数は生涯で1,300を超えると言われます。
そのエジソンが亡くなる間際、最後に発明したいと願い取り組んだものをご存じでしょうか。
その最後の発明は『霊界との交信機』だったそうです。

「人の記憶能力を司る脳内のブローカ細胞が、人が亡くなると脳を放棄して、個人の人生記録
を保持したまま宙を飛んで行くと考え、その微小な単子になんらかのアクセスが可能ではない
かと考えた」

エジソンの、そんな言葉が残っています。
どのような想いからエジソンは霊界と交信しようと考えたのでしょうか。
今となっては分かりません。
不可能を可能にし続けたエジソンは、この霊界との交信機さえ、時間が残されていたら完成さ
せていたのかも知れませんね。

◆そんなエジソンの想いは、手法に違いはあれど、現代になってAiが叶えようとしています。
エジソンの最後の発明が完成していたら、世の中をどう変えたのでしょう。
そしてAiによって、これから世の中はどう変わるのでしょうか。
私たち人間の叡智とモラルが試されます。

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小学生の頃、教科書に載っている偉人の肖像画に落書きをして遊んだことを思い出します。
いかにオモシロく加工し、友達を笑わせることができるか、そのセンスを競い合いました。
当時(小学生)の、最先端かつ精一杯の画像加工技術。

メルマガの締めがこんなんで・・・すいません!
だって思い出してしまったのです!

みなさん今週もお疲れさまでした。
素敵な週末をお過ごしください!