[ケアビジネスSHINKA論 Vol.2621]

パンドラの箱

みなさん、おはようございます。
毎週金曜日の担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。

芸能界や政界あらゆる業界で起こる事件や不祥事を伝える記事に「パンドラの箱が開かれる」
といった表現を見つけました。
よく使われる言葉なのですが、そういえば由来や意味を調べたことが無かったなぁ。
ということで、今回はその箱について取り上げてみたいと思います。

それでは本日のメルマガです!

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■■パンドラの箱
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◆パンドラの箱とは、ギリシャ神話に登場する話が由来です。
神々の王ゼウスが、人間に罰を与える目的で、あらゆる災いを詰め込んで作った黄金の箱。
(ゼウス、ひどい。。)
ゼウスは自分の息子であるエピメテウスにその黄金の箱を与え、その箱はエピメテウスと結婚
したパンドラという女性に手渡されます。
「絶対に開けてはダメだぞ」との忠告を破り、パンドラは好奇心から箱を開けてしまいます。
(パンドラ、やっちまいました。。)
すると、箱からは病気や苦痛などあらゆる災いが飛び出して世界中に広がったというのです。
後に、箱を開けてしまった女性の名前から、その黄金の箱は「パンドラの箱」と呼ばれるよう
になります。

◆現代でも「災いを引き起こすもの」や「触れてはならないもの」の例えとして使われます。
でも、この言葉にもう一つの意味があることはあまり知られていません。
パンドラが慌てて箱を閉めたとき、すでにあらゆる災いは飛び出していたのですが、その箱の
中に“希望”だけが残っていたというのです。
いったい良い話なのか悪い話なのか・・・悩ましいのですね。
実際、この“希望”には、ポジティブな解釈とネガティブな解釈があるようです。

◆ポジティブな解釈では、
「人間の手元に希望が残った」
「希望を持って生きられるようになった」
というものです。
そしてネガティブな解釈では、
「希望が残ったために人間は希望にすがるようになり、結果として苦しみが増した」
というものです。
同じ事象を目の前にして、ポジティブに捉えるのかネガティブに捉えるのか。
皆さんなら、どちらの解釈を選びますか?

◆「パンドラの箱を開ける」ことは、時にリスクを取ることやチャレンジすることにも例えら
れます。
リスクやチャレンジを避けてばかりでは、成長や革新、そして成功はあり得ません。
パンドラの箱を開けることで災いや苦しみを受けることにはなりますが、それを乗り越えた後
に可能性や機会、そして希望を見つけることができるのであれば。。

◆前段で書いた、昨今の事件や不祥事について。
パンドラの箱を開けるのは良いのですが、当事者にしてもメディアにしても、無責任に開けて
いるのではと感じることが目立ちます。
パンドラの箱が開くことにより多くの“飛び火”が起こり、そして影響を受ける人が多数出て
きます。
SNSにより事実だけでなく尾びれ背びれが付いた名無しの無責任コメントが溢れ、再起する
こと自体が難しくなるほど叩かれることも。

◆もちろん悪いことは悪い、犯した罪には相応の罰を与えることが必要です。
関係する人は大いに反省し、今後の言動を改めることも求められます。
それでも、せめて本気の反省の先には、最後の最後に“希望”が残されていますように。

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「絶対に○○するなよ」は、日本を含めて世界中の神話に登場しますね。
そして、その約束が守られることはない・・・お約束です笑
でも、多くの教訓や学びを与えてくれます。
今の子どもたちは触れる機会があるのかな?

みなさん今週もお疲れさまでした。
素敵な週末をお過ごしください!