みなさん、おはようございます!
毎週金曜日の担当、ケアビジネスパートナーズの尾添です。
先日、夜中になんとなくテレビをつけたところ、人気アニメ『鬼滅の刃』が流れていました。
(関西エリアでの話です)
数年前に子供につられて一気見して以来、久しぶりに目にし、そのまま視聴することに。
今は鍛冶の里編の決闘真っ最中、久しぶりに見ると・・・こんなにグロテスクだったのか・・・笑
しばらく観ていると気がつくことがあり、ふと数か月前に読んだ本を思い出したのでした。
・・・・
というわけで、さっそく本日のメルマガです!
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■■映画を“消費”する
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◆その本のタイトルは『映画を早送りで観る人たち』(情報はあとがき欄にて紹介します。)
どんな内容かというと、ネットフリックスやアマゾンプライムなど新たな映画視聴サービスに
おいて「1.5倍速」の機能が付くようになり、若者を中心に当たり前のように活用している
ことへの違和感を示したり、考察したりというもの。
他に「10秒飛ばし」や「早送り」は当たり前、とにかく「観たいシーンだけを手軽に観る」
というコスパ・タイパ重視の視聴が主流になりつつあるのだとか。
それ自体は何も非難されることではないと思うのですが、機能を活用する若者の多くの声は
「主人公に関する展開以外は興味がないので、それ以外のシーンは早送りする」
「過去の回想シーンは早送りする。やたら多いし、くどかったので」
「途中まで普通に観てたけど、早く結末を知りたくなったので、途中の何話か飛ばして最終回
を観た」などなど。
そしてファスト映画(映画を無断でダイジェスト編集して公開したもの)やネタバレサイトに
ついても触れられていました。
◆書き手は嘆いています。
「あんた達が飛ばした10秒の中に、作り手がどれだけの想いを込めたと思っているんだー」
「あの何も言わず見つめ合う沈黙の数秒間がドラマのクライマックスじゃないかー」
「観ている我々がヤキモキするような過程こそがその映画の醍醐味なんだよー」
(そんな書き方はされていません!心の声として代弁しました!笑)
でも、多くの若者の声は「観たい」のではなく「知りたい」。
流行や友人との会話に後れを取らないよう、とにかく「見た」事実と、あとはストーリーと
結末が要約で分かれば良いのだそうです。
◆それともう一つ、著者の嘆きのポイントが。
それはセリフで全てを説明しようとするドラマやアニメが増えてきたこと。
そこで、冒頭に触れた『鬼滅の刃』の話に繋がります。
改めてアニメを観た時を思い返してみると、主人公の竈門炭治郎は確かに全ての感情を口にし
てくれました。
「悲しい、とても悲しい」
「どうしよう、どうすれば良いのか分からない」
「息が苦しい、凍てつく空気で肺が痛い」
「助かった、雪で」
想像を巡らせる必要もなく、炭治郎の心情やシーンの背景が手に取るように分かります。
だって自分で丁寧に説明してくれていますから。
そのセリフは必要なのか?前後の展開や描写を観れば分かることじゃないか!?(著者嘆き)
そういえばテレビでも必要以上のテロップやナレーションにうんざりすることもありますね。
◆若者全てがそうではありませんし、我々世代だって多少なり経験はあるかと思います。
(かくいう私もYouTube視聴はたいてい倍速設定しています。)
そして、YouTubeショートやTikTokなど短くまとめられたコンテンツが流行っている現状も
目にしています。
紹介した本では、その他事例も多数出しながら、
「早送りをする人たちは作品を鑑賞しているのではなく“コンテンツを消費”しているのだ」
良し悪しではなく、そうなのだと考察しています。
◆この本を読み込んで、書かれている現代の(特に若い)視聴者の考えをまとめると。。
「“つまらない”判定が下ったら、あとは“観ない”“飛ばす”または“1.5倍速”!」
社員教育や子育てに関する本は多数あれど、それらには書かれない“リアル”を感じます。
「何を言いたいのか分からない」と、子供や社員。
「順番に話しているんだから黙って最後まで聞きなさい!」と、自分。
そんなやりとりにならないようにしなければ。。
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以上、何かのお役に立てれば幸いです。
紹介した本は以下の通りです。
『映画を早送りで観る人たち』 稲田豊史 光文社出版
https://amzn.to/44c2csW
この本以外に、Z世代考察に関する面白い本も複数あります。
仕事におけるマネジメントにも通じる無視できない話ばかり、キャッチアップしていきたい
ですね!
みなさん今週もお疲れさまでした。
素敵な週末をお過ごしください!!