[ケアビジネスSHINKA論 Vol.1263]

某金融機関の事例から“学び”“気付き”を得る。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の原田です。

昨日は地域によって、局地的な大雨が凄かったようですね。
(私も群馬で土砂降りに見舞われました)

その影響で、川の増水や土砂崩れ等、二次災害に注意すべき
地域もあるようです。

該当地域の皆様は、くれぐれもお気を付けくださいませ。

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

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■■某金融機関の事例から“学び”“気付き”を得る。
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●先日、東海地区の介護経営者(A理事長)と今後の経営について意見交換させていただい
た時の事。今後の存続・発展戦略について議論が及ぶ中、ふと、とある金融機関の事例を思
い出し、A理事長にお伝えさせていただいたところ、「ものすごいヒントが潜んでいる気が
します」という、とても嬉しい反応をいただくことが出来ました。

●この事例、ひょっとするとメルマガをお読みいただいている皆様にも何らかの気付きを
ご提供出来るかもしれない?という想いのもと、本日は是非、A理事長にお伝えさせていた
だいた事例を皆様にもご紹介させていただきたく思います。東京地区最強と言っても過言
ではない信用金庫“巣鴨信用金庫”についてです(以下、巣鴨信金と略記)。

●「この金融機関、他と違って面白いな」そんな風に私が興味を持ったきっかけは、巣鴨信
金が単なる金融機関ではなく、“金融ホスピタリティ業”を標榜していた、という点からで
した。ホテルやレストランでキャリアを積んだ田村和久理事長は、“喜ばれることに喜びを”
という言葉を掲げ、“生活に密着した日常での感動的なおもてなしこそが重要”との想いで、
他の金融機関にはない、様々な取り組みを実践されています。

●有名な取り組みとしては、例えば、“8 時55 分オープンサービス”。巣鴨信金のメイン顧
客である高齢者の方々は朝が早く、いつも何人かのお客様が9 時開店前に入口に並んでい
たそうです。そこで、“開店前でも店内にお通ししよう”ということになり、このサービス
が始まったと言います。

●また、毎月4 のつく日は“おばあちゃんの原宿”と言われる巣鴨の地蔵通り商店街で縁
日が開催されるのですが、ご高齢の方はどうしてもトイレが近くなりがちです。しかし、商
店街付近には公衆トイレが少なく、縁日のときには絶対的にトイレが不足していました。そ
の状況を知った巣鴨信金は本店を開放し、さらには休憩所として提供することを始めたと
言います。

●そして、ここから更に発展したのが“「おもてなし処」サービス”。同社は、“ホスピタリ
ティ(おもてなし)”の精神から、驚くことに、自社ブランドのおもてなし茶までつくり、
地元メーカーのお煎餅やお饅頭などを振る舞い、本館3 階のスペースを“ふれあいの場(=
おもてなし処)”として無料開放しているのです。

●また、時には、若手落語家を招き、演芸会まで開催することも。ここまですれば、お年寄
りの方々が巣鴨信金の大ファンになるのは無理もありません(笑)。そんな活動が事業にも
しっかり結びつき、巣鴨信金では、年金の口座開設数がグングン伸びているそうです。

●また、金融機関の窓口は15 時で閉じるというのは常識ですが、巣鴨信金さんは、15 時
以降も職員が待機して19 時頃まで接客をしてくれています(高齢者を狙う振り込め詐欺防
止の一貫としても行っているそうです)。

●さらに、“どうして自分のお金を引き出すのに手数料がかかるのか”というお客様からの
声を反映し、平日はもちろん、土曜も日曜も祝日もいつでもタダで利用することが出来る
“ATM 入出金手数料ゼロサービス”も実現させているそうです。

●加えて、巣鴨信金では、テラーと呼ばれる窓口係の女性は、“サンダル履きでお客様をお
迎えするのは失礼にあたるのではないか”という考えのもと、全員がパンプスを履いていま
す。更に、ホスピタリティ精神を醸成するため、テラー各々には、何と、毎年10 万円まで
の“ホスピタリティ経費”が与えられているそうです(まるでリッツカールトンですね)。

●最後に、ホスピタリティ溢れるサービスをお客様に提供するためには当然、行員自身が満
足していなければならない、という想いから、“人本主義”という言葉を掲げ、給与面であ
ったり(巣鴨信金は信金平均、都内平均、同規模平均の賃金を超えた給与を提供している)
退職セレモニーだったり、福利厚生イベントだったり、社内イベントへの家族参加の促進だ
ったり、正に、行員一人ひとりに対しても“ホスピタリティ(おもてなし)”精神を発揮し
ているそうです。。。。

●さて、上記事例、皆様はどのようにお感じになりましたでしょうか?同じく生活に密着し
た“日常”を支えるサービスを提供する私たちとして、巣鴨信金さんの姿勢から、或いは何
故、このようなサービスが実現できるのか?を考えて見ることで、“学び”“気付き”につな
がる何かを感じ取ることが出来るのではないでしょうか?少しでも関心をお持ちいただけ
た皆様は、一度、時間をとって、ゆっくり振り返ってみていただいても面白いかもしれませ
んね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は大阪にて、

“介護に強い会計事務所”

を志す会計事務所の皆様に対する集中講座を行います。
(今日と明日の2日間にわたる長時間講座です)

皆様は今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。