[ケアビジネスSHINKA論 Vol.1236]

○○的な□□主義。~メルマガ読者からいただいた感想より~

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の原田です。

「ケアプランAIって一体、いつ頃から具体的に動き始める
んですかね?」

昨日の中四国ケアビジネス研究会にて出ていた話題の一つです。

そんな中、偶然にもその話題に対する一定の答になるかも
しれないな、

と感じる記事を昨日、偶然見つけました。
(面白いものですね、こういうの^^)

皆様にも共有させていただきたく思いますので、

ご関心をお持ちの皆様は是非、下記記事をお読み
下さいませ。

「ケアプランAIの現在地 実証研究の報告会で
語られた当面の課題と将来性」

https://news.joint-kaigo.com/article-7/pg679.html

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点───────────────────────────────────
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■■○○的な□□主義。~メルマガ読者からいただいた感想より~
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●“カゴメ株式会社”の示唆深い記事内容から派生して、「求職者に対する“感謝”“敬意”
を採用プロセスにどう埋め込んでいくか」について工夫・実践を行った外食企業の事例
をご紹介させていただいた今週のメルマガ。そんな中、近畿地区の介護経営者(A社長)
より、次のような感想をいただきました「今週のメルマガを読んで、原田さんが前回の
セミナーでお話されていた“現実的な理想主義”という言葉がふと、頭に浮かんできまし
た。」・・・・(A社長、ありがとうございます!)

●「現実的な理想主義」確かに最近のセミナーで私自身、よくお伝えしている言葉です。
私が生み出した言葉ではなく(当然ですが^^)、名著「ビジョナリーカンパニー」か
らの抜粋なのですが、今、正に我々介護業界にとって重要な示唆が含まれているのでは
ないかな、と最近、特に強く感じています。

●ちなみにビジョナリーカンパニーの中では医薬品メーカーであるメルク社の事例と共に
語られているのですが、今日は是非、その本に書かれているメルク社の当時の大英断と共
に、「現実的な理想主義」に込められた意味を皆様にも共有させていただきたく思います。

●A社長が何故、今週のメルマガを読みながらこの言葉を思い出していただけたのか?そ
んな質問も頭の片隅に置きながらお読みいただければ幸甚です(僭越ながら、5年前に書い
た私の共著本「介護事業所経営の極意と労務管理・労基署対策・助成金活用」から同内容に
ついて引用させていただきます。そういえば最近、本、書いていないなぁ。。忙しくてお断
りしていたら最近は、出版社の方から声がかからなくなってしまいました(苦笑))。

●「皆さんは、メルクという会社をご存知でしょうか?同社は医薬・化学品会社として約
350年弱の歴史を誇り、世界規模で事業を展開する超優良企業です。もともと大変有名な企
業でしたが、同社の評価や名声が更に高まったのは、1987年から7年連続で米経済誌フォ
ーチュン“世界で最も尊敬される企業”に選ばれたことが大きかった、と言われています」

●「そして、その選出のきっかけとなったのが、新薬“メクチザン”を巡る、メルクの大英
断だったのです。当時、メルクは、新薬“メクチザン”のことで頭を悩ませていました。メ
クチザンはアカイエカに刺されて感染し、視力を失う糸状虫症の予防に卓越した効果を見
せており、当時、アフリカでは、この病気にかかっている人は100万人を超えていると言
われていました」

●「その意味でも、大変有意義な新薬開発であったことは言うまでもありませんでしたが、
彼らが頭を悩ませていたのは、その新薬を求める方々の大半が、薬を買うことができないほ
ど貧しい人たちだ、という事実でした」

●「それでもメルクは、新薬が完成すれば、どこかの政府機関か非営利団体が買い上げて患
者に提供してくれるようになるのではないか、と期待し、プロジェクトを進めていました。
しかし、結果的にこの思惑は外れ、“新薬を開発出来たのに提供出来ない”という苦境に立た
されたメルクは1987年、ついに企業として大英断を下しました」

●「なんと、薬を自らの手で、それも自費で無料配布し、糸状虫症に侵されて危険な状態に
ある百万人の患者に薬が確実に届くようにすることを意思決定したのです。メルクがこの
決定を下した理由を聞かれたとき、当時のパジェロスCEOは次のようにインタビューに答え
たと言われています」

●「「このプロジェクトを進めなかったら、人々の生命を維持し、生活を改善する仕事をし
ている、と自負する我が社の科学者の士気は著しく下がっただろう」続けて彼はこうも言っ
たそうです」

●「「15年前、日本をはじめて訪れたとき、日本のビジネス関係者に、第二次世界大戦後、
日本にストレプトマイシンを持ち込んだのはメルクで、その結果、蔓延していた結核がなく
なったと言われた。これは事実だ。ちなみに当社はこれで利益をあげていない」」

●「「しかし、今日、メルクが日本でアメリカ系製薬会社の最大手であるのは、偶然ではな
い。長い目で見ると、こうした行為の結果は必ずしもはっきりとは表れないが、なんらかの
形で必ず報いられると思っている(中略)」」

●「ちなみにこの事例を“現実的な理想主義”という表現を用いて紹介している書籍“ビジ
ョナリーカンパニー”では、次のような考察も加えられています」

●「メルク社が持つ理想がメクチザンについての決定の原動力になったのか。それとも、長
い目で見てよいビジネスになり、恰好の宣伝になるという現実的な理由から、この決定を下
したのか。わたしたちの答えは両方だ」

●「メルク社の理想は、この決定に大きな役割を果たした。長い目で見て同社の事業にプラ
スになってもならなくても、メルクはこのプロジェクトを進めただろう。しかし、こうした
善意の行動が「なんらかの形で報われる」と計算してメルクが行動したのも事実だ(中略)」

●「メルクは設立以来ほぼ一貫して、高い理想と現実的な自己利益を同時に追求している。
ジョージ・メルク二世は1950年、この逆説的な考え方を次のように説明した」

●「「わたしは、当社が忠実に守ろうと努力してきた主義を明確にしたい。要約すると、次
の通りである。医薬品は患者のためにあることを忘れない。医薬品は人々のためにあること
を、絶対に忘れてはならない。医薬品は利益のためにあるのではない。利益はあとからつい
てくるものであり、われわれがこの点を忘れなければ、利益は必ずついてくる。このことを
肝に銘じていればいるほど、利益は大きくなる」・・・・(以上、抜粋終了)

●さて、上記抜粋、皆様は如何思われましたでしょうか?少しでも心に引っ掛かりを感じて
いただけた方は一度、時間を取って、じっくりと思考を深めてみても悪くないかもしれませ
んね^^

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は山口県内にて打合せ。

終了後、兵庫・神戸まで移動します。

皆様は今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。