[ケアビジネスSHINKA論 Vol.927]

組織活性施策を投じる際の注意点。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

“再三の忠告にも耳を貸さずに悪質な運営を続ける
有料老人ホームに対して、

都道府県が事業の停止を命令できるようにする”
(現行法が認めているのは業務改善命令まで)

上記内容を含んだ老人福祉法改正案が、

介護保険法改正法案と共に今国会に提出されている
ようですね。

指導・監督の仕組みを強化して入居者の保護につなげる
こが狙いだそうで、

必要な届け出をしていない

“無届けハウス”

もその対象となるとのこと。

順調に進めば2018年4月からの施行と
なるそうです。

勿論、個人的には、

“悪意”

あるホームには堂々と事業停止を突き付ける
必要があると思っていますが、

“無届け=悪意”

という理屈がもし通れば、

それはそれで論理飛躍が大きいのでは?

とも感じるところです。

恐らく、都道府県単位で対応の温度感は変わって
くるものと思いますが、

このような動きがある、ということは、

特に入居系サービスを展開している(or展開しようと
計画されている)方は知っておいた方がいいかもしれま
せんね

※参照元記事はこちら

http://www.joint-kaigo.com/article-3/pg556.html

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■組織活性施策を投じる際の注意点。
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●先日、異業種(外食)から新規参入された、九州地区の介護経営者様(A社長)と意見交換をさせていただいた際、私自身、あらためて気付きを感じるお話をうかがいました。この時の内容、メルマガ読者の皆様にも気付きをご提供出来るかも?と思いつつ、本日のメルマガでご紹介させていただきます。“組織活性施策を投じる際の注意点”についてです。

●A社長は外食経営を行う上において「組織マネジメント」を意識的に実践されてきており、それなりの成功体験と自負を持って介護業界に参入されました。当然、外食事業における組織マネジメントにおいて効果が上がったことを介護事業にも導入しようとされる訳ですが、そのうちの一つが、“現場からの改善提案制度”だったとのこと。

●よくある話ではありますが、現場からの改善提案制度について、例えば“改善提案を行えば〇〇〇円”“その提案が採用されれば〇〇〇円”という、“金銭報酬”を設け、改善意識を高めようとしている企業というのは数多く存在しています。A社長もその効果を外食現場で実感し、介護事業所にも導入しよう、という話に。ところが、外食ほどの効果が見られず、「何故だろう?」と不思議に思っていたそうです。

●A社長は管理者やリーダーとのミーティングの中で上記導入が進まない理由を確認しました。すると、彼らからは、「お金をもらうのも嬉しくない訳ではないが、それだけではモチベーションが上がりづらい」という意外な返答が。では、どんな制度があればいいの?と更に突っ込んで聞いたところ、彼らからは次のような回答があったそうです。「お金ではなく、上がってきた提案に対し、どれが採用となり、どれが不採用となったのか。また、その理由は何か、についてのフィードバックが欲しい。また、その中で、“これは素晴らしい提案だ”と社長が感じたものについては、不定期でもいいので、“感謝状”みたいな形で直接、社長から職員に声掛けをしてほしい。それに、(お金ではなく)不二家のケーキでもつけてくれれば、彼らはそれだけで喜び、やりがいを感じますよ」以降、社長は彼らの意見を理解する中、毎月上がった提案内容を一覧化し、“採用”“不採用”を明示する事を始めました。また、3か月後には何の前振りもなく“感謝状”を職員に渡す等のサプライズを実行し、半年経った今、改善提案枚数は以前よりも上昇しているとのことでした。

●言うまでもない事ですが、提案制度に対して“金銭的報酬”を提供する事が良くない、とか、そういう短絡的な話では全くありません。ただ、A社長が経営する介護現場では、外食で効果を上げた“金銭報酬”がミスマッチだった。むしろ、“我々の提案を会社が(社長が)真正面から受け止め、真剣に吟味し、答を出してくれる” “提案を出す行為そのものについて、会社が(社長が)感謝の念を持ってくれている”という、“自分達を認めてくれている”という“非金銭報酬”の方がマッチしていた、ということなのでしょう。

●組織活性をテーマに、様々な“仕掛け”を組織に埋め込もうとされている経営者はとても多いのではないか、と思います。もし、それらが期待通りの効果を発揮していないとするならば、そこには何らかの“ミスマッチ”が生じているのかもしれません。実行している施策は“経営本位”ではなく、対象者の気持ち・感情に見合った策になっているでしょうか?上記エピソードを念頭に、一度、見つめ直してみることも悪くないかもしれませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、札幌市内でセミナーを行います。

雪の中、お集りいただく皆様に価値や気付きを提供
出来るよう、

気合を入れて臨みます。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。