[ケアビジネスSHINKA論 Vol.808]

ビジョナリーな地域密着介護事業者の動き、刺激になりますね。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

経済的な理由で進学が難しい学生を首都圏の
高齢者福祉施設で受け入れ、

働きながらの進学を支援する自立支援プログラム

“ニライ塾”

が、次年度の入学に向けて、利用を呼び掛け始めて
いるようですね。

学生は基本的に福祉施設からの貸付金と既存の奨学金を
併用して学費を支払い、

介護士として施設で働き、そこで得た給与を生活費と
借りた学費の返済に充てる仕組み。

こういう取り組みを見ると、やはり、アイデアは無限大
なんだなぁ、

とつくづく感じます。

本内容にご興味をお持ちの方は、是非、下記ニュースを
ご参照下さいませ。

http://mainichi.jp/articles/20160725/rky/00m/040/004000c

では、本日もメルマガの中身に入らせていただきます。

今日の視点──────────────────────────────
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■■ビジョナリーな地域密着介護事業者の動き、刺激になりますね。
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●昨日のメルマガの中で、「“社会貢献”というキーワードをもっと自社の事業の中に取り込みたいとお考えになっている事業者は少なからずいらっしゃるはず」という趣旨の発言をさせていただきましたが、その後、ふと、とある取り組みが始動した事を思い出し、「この情報は、メルマガ読者の皆様に更に新たな視点や刺激を提供出来るかもしれない」という想いに至りました。本日は、この内容を是非、皆様に共有させていただきたいと思います。鹿児島県北部に位置する離島・長島町でデイサービスを営む“達者の家”大平社長のスタートアップ事業についてです。

●大平社長は現在、「ご利用者の“出来る事”に注目し、その力が出せる環境を調え、収入を得ていただく」というアイデアのもと、“竹ぼうきプロジェクト”というものを推進し始めています。目下、クラウドファンディングサイト“CAMP FIRE”で資金集めをしている最中ですが、その取り組みを是非、皆様に知っていただきたいと思います。

●以下が“竹ぼうきプロジェクト”のサイトに書かれた説明文です。

▼ご挨拶
ご覧いただきありがとうございます。大平怜也(おおひらりょうや)と申します。私は鹿児島県・長島町で介護の仕事をしています。

私は、福岡の専門学校を卒業したあと1年間のフリーターを経験し、“長男”ということで親の勧め(半ば強制)で地元の鹿児島県・長島町に帰郷し、特別養護老人ホームに就職しました。

当時、介護の“か”の字も知らなかった私は、経験もなければ資格はもちろんやる気すらもない状態で介護の世界飛び込みました。

当初は、寝たきりや認知症の方など意思疎通も困難で、体のどの部分も自分の意思で動かせない状態をみて、“何を目的に生きているのか”、“なぜここまで大変な思いをして介護をしなければならないのか”と、仕事に対して全く意義を見いだせないでいました。

しかし、石の上にも三年で、実務経験を積むことで“介護福祉士”という資格を取ることができました。

その頃から、だんだんと仕事に対する姿勢が変わり、介護の仕事をおもしろいと感じるようになりました。

それは、要介護状態であっても何もできなくなったわけではないということ、介護技術を磨くことで介護する側もされる側も楽になること、知恵を出すことで生活上の困りごとを解決していけることに気付いたからでした。

そして、できないことよりも、“できること・やりたいこと”に注目することがとても重要なことだと気付きました。

▼このプロジェクトで実現したいこと

このプロジェクトは、高齢者(元気な方も要介護の方も関係なく)が竹ぼうきなどの竹製品を製作・販売し、利益は製作者である高齢者への報酬と、長島町の給付型奨学金「ぶり」奨学金へ寄付することを活動内容にしています。

目的は、次の通りです。

  1. 地元の高齢者が自分の特技を発揮する場を作り、仲間と共同作業を行うことで介護予防・認知症予防になること。
  2. 役割を持ち、かつ収入を得ることで何にも代えがたい、やりがい・生きがいを感じられること
  3. 長島町の子どもたちを支援し、将来立派になってまた長島町に帰ってきてほしいという願いが込められた「ぶり奨学金」を、金銭的に応援すること

▼プロジェクトをやろうと思った理由

介護の仕事をしていて、なぜ竹ぼうきを販売なのか?

その答えは、デイサービスに通っているおじいちゃんが、竹ぼうきを作れることに気付いたからです。よくよく話を聞いてみると、昔長島町では竹ぼうきを自分で作って庭掃除をしていたため、竹ぼうきを作れる高齢者が多くいるとのこと。

お金を払い、保険料や税金を使って、デイサービスで竹ぼうきを作るのであれば、いっそのこと“これが仕事になればいいのでは?”と考えました。

さらに、鹿児島県は竹林面積日本一であること、地元小学校では年間200本程度竹ぼうきを購入していること、量販店で販売されている竹ぼうきは輸入品で質が悪く1か月程度で買い替えないといけないことも分かり、商売として成り立つ可能性を強く感じました。

▼これまでの活動

現在は、デイサービスの利用者さんとスタッフが協働で竹ぼうきを製作し、希望者に販売しております。この売上金は竹ぼうきプロジェクトの準備金としてプールしています。(といっても数万円ですが・・・)

また、竹ささらの商品開発も行っています。ささらとは、中華鍋を洗ったり左官に使用する道具で、細かく裂いた竹を円柱状に束ねたものです。

世界最大の調理師輩出学校・辻調理師専門学校(大阪)の宮崎耕一先生によると、市販のささらは穂先が水平に揃っていて使いにくい、持つ部分が弱くなり使いにくくなるなどの問題がありシェフが自ら改造しているそうです。そこで、辻調・宮崎先生にアドバイスしていただき、初めから使いやすいオリジナルの竹ささらの開発中です。(長島町と辻調理師専門学校は地方創生連携協定を締結しています)※辻の字はしんにょうの点がひとつ

現在そのほか、竹を提供していただける地域の方のお宅を訪問したり、竹ぼうきを作れる方の募集、イベントの企画、損益計画の作成などをしています。

▼資金の使い道

・竹ぼうき、ササラの作成に必要な道具(竹割り器、各種ナイフ・包丁、鉈などを10名分=約20万円)

・当面は製作者もボランティア活動となるため、弁当くらい出せるようにしたい(1日500円×6人×100日=約30万円)

▼最後に

これから日本は本格的に超高齢社会に突入していきます。1965年頃は20~64才の9.1人で65才以上の高齢者1人を支える構造でしたが、2012年には2.4人で1人、2050年には1.2人で1人の高齢者を支えていかなければならない肩車社会になると言われています。その他にも認知症、孤独死、生活習慣病など様々な問題を抱えています。

このプロジェクトは、職場というコミュニティが新たにできることで、人と会い、体を動かし、目標を持ち、収入を得ることができ、介護予防や認知症予防、社会的孤立化の防止などにも役立つと考えています。

すぐに明確な成果が出るようなプロジェクトではありませんが、ぜひご支援をよろしくお願い致します!!

※竹ぼうきプロジェクトの詳細サイトはこちら

https://camp-fire.jp/projects/view/7826

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●非常にユニークかつ有意義なこの取り組み、何か皆様の中で“感じる”ものはありましたでしょうか?今日は、私からのこれ以上のコメントは差し控えさせていただきますので^^、是非、皆様、思い思いに“感じて”いただければと思います。例えばこの情報をネタに、社内で議論を進めてみても面白いかも知れませんね。

※ちなみに、言うまでもありませんが、コンプライアンス上の課題は全てクリアーした上での取り組みです。様々な工夫が施されていることを付言させていただきます。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は仙台で、

“差別化”

をキーワードにしたセミナー。

私は3人中3番目の登壇、

最大の満足をご提供できるよう、

気合を入れて臨みます。

皆さんは今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。