[ケアビジネスSHINKA論 Vol.1227]

“サービス品質は悪くないのに稼働率が低い”事業所の改善策(3)。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の原田です。

最近、チョコチョコ私の周りで話題に挙がるように
なってきた

“仕高住(=仕事付き高齢者向け住宅)”。

本住宅に関する事例記事を見つけましたので、

皆様にも共有させていただきたく思います。

関心をお持ちの皆様は是非、下記をご確認下さいませ。

http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/050200094/042300017/?ST=health

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点───────────────────────────────────
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■■“サービス品質は悪くないのに稼働率が低い”事業所の改善策(3)。
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●“サービス品質は悪くないのに稼働率が低い(新規問合せが少ない)”という悩みをお持
ちだった中国地区の介護経営者・A社長。原因は2つ、即ち、AMTULでいうところの “A
(Awareness(認知))”“M(Memory(記憶))”のどちらか(或いはいずれも)しかな
い、というところまでの話を昨日のメルマガではお伝えさせていただきました。

●今日はその続きとして、では、例えば“A(認知)”をあげるためにどのような施策が考え
られるか、という話について、最もA社長に関心をお持ちいただいた内容を抜粋して皆様に
も是非、共有させていただきたく思います。名付けて“地域資源ローラー作戦”についてです。

●「地域を知っている“皆さんならでのアイデア”を是非、持ち寄りましょう!」そんな掛け
声から始まった、近畿地区某地区での稼働率向上プロジェクト(今から8年ぐらい前、私が
コンサルタントとして支援に入らせていただいた時の話です)。開設してから3ヵ月が経過
したものの、なかなか計画していた稼働率にまで達していない、という危機的状況の中、何
とか皆の力でこの難局を乗り切ろう、と話し合ったことを今でもハッキリと覚えています。

●「ケアマネ向けの営業は管理者や生活相談員に任せるとして、現場の皆さんには是非、違
う切り口での営業をお手伝いしてもらいたいと思っています。早速ですがこの地域の中に、
我々の顧客(高齢者・要介護者)になりそうな方々と直接つながっているような“人”はいら
っしゃいませんか?」

●「或いは直接つながってはいないとしても、顧客に関連する方や情報が集まりそうな“場
所”ってどこかにないでしょうか?」そんな質問と共に、我々は“地域住民”でもある職員
(主にパートの女性)の情報を頼りに、我々の事業に意味がありそうな地域資源を順番に洗
い出していきました。

●「あっ、そや!」そんな話し合いを続けていた矢先、あるパート女性(Bさん)がふと立ち
あがり、「私、行ってくるわ!」とチラシを10枚ほど持って玄関に向かって行かれました。
一瞬、呆気に取られた私ですが、直ぐに後ろを追いかけ、Bさんに声を掛けます「どこへ行か
れるんですか?」

●「私、近所のクリーニング屋に行ってくる!」・・・・予想外の言葉に私は思わず聞き返しま
してしまいました「クリーニング屋さん?何故ですか?」そんな私を笑顔で見ながら、Bさ
んは話を続けられました。

●「原田さんはこの辺りの人じゃないし若い(?)から分からないかもしれないけれど、こ
の地区のクリーニング屋のおばちゃん(親しみを込めて、Bさんの発言通りに記します^^)
は“地域の情報通”で有名なんよ。ほら、クリーニング屋さんって洋服を出した後によく世
間話とかするでしょ。私、クリーニング屋のおばちゃんとは長い付き合いで仲良しやから、
多分紹介してくれると思うわ」

●なるほど、確かに、と思いながら、でも、まだ半信半疑だった私はBさんに向かって次
のようなお願いをします「私もついていっていいですか?」。その後、Bさんと一緒にクリ
ーニング屋さんにお邪魔させていただいたのですが、何より驚いたのは、、、、

●「〇〇さんのところ、お父さんの介護が大変や、って、そう言えばこの前、言ってたわ」
というように、“固有名詞”がポンポン出てくるのです。「分かった。あんたがあそこで働い
ているんやったら安心して紹介できるから、今度〇〇さんが来た時にチラシを渡しとくわ。
他にも心当たりがあるので、声掛けてみる」

●そんな調子で話が弾み、それでも「本当かなぁ?」といぶかしがっていたところ、その後、
「クリーニング屋さんからの紹介で、、、」と、1か月の間に4件もの問い合わせが入ってき
またことを今でも鮮明に覚えています(個人的には“目から鱗”の経験でした^^)

●それ以外にも、スタッフの方が通っている美容室や事業所の近所にあるお好み焼き屋さ
んや喫茶店、公民館やスーパーにもチラシを置かせてもらったり、或いは民生委員や自治会
長と言った方々のところに定期的に訪問(=一カ月間の活動の定期報告)させていただいた
り等、

●とにかく“地域密着”の戦略を徹底的に実行しながら“A(認知)”を高めていく活動を継
続的に行っていきました(勿論、地域のボランティア活動等にも積極的に参加した事は言う
までもありません)。その後、開設から半年が経過した頃には何とか無事に目標数値に到達。
以降、安定的な問合せをいただけるような体制が整い、無事、事業も安定軌道に乗っていっ
た次第です(当然ながらこの間、管理者や相談員を中心にケアマネ営業も並行して継続的に
行っていたことは言うまでもありません)。。。。

●さて、上記視点、皆様は如何思われましたでしょうか?「そんなの、既にやってるよ」と
おっしゃる方には釈迦に説法で恐縮ですが、もし、少しでも心にひっかかりを感じていただ
けた方は、一度、「うちの地区ではどうだろう?」と考えてみていただいても面白いかもし
れませんね。

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、午前中は、北海道旭川市内でクライアント
とミーティング。

午後は札幌に戻り、

札幌市内で打合せ。

終了後、最終便で東京へ戻ります。

皆様は今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。