[ケアビジネスSHINKA論 Vol.1138]

「離職率を低下させたい」という意見交換の中で感じた事。

おはようございます、

(株)ケアビジネスパートナーズ の
原田です。

今週中頃ぐらいから、

一気に寒くなってきた地域も多いようですね。

年末に向けてジワジワと疲れが出てくるであろう
この時期、

皆様、くれぐれもご自愛下さいませ。

では、本日のメルマガに入らせていただきます。

今日の視点───────────────────────────────────
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■■「離職率を低下させたい」という意見交換の中で感じた事。
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●先日、「組織の定着率を高めたい」と考えている九州地区の介護経営者(A社長)と意見
交換させていただいた時の事。ふと気になる事があり、話の流れに合わせて私見をお伝えさ
せていただいたところ、しばしの沈黙が流れた後、「確かに。その辺りを明確に整理してお
かないと、誤った判断をしてしまいかねませんね」という、とても嬉しい反応をいただくこ
とが出来ました。

●今日は是非、A社長にお伝えさせていただいた内容を皆様にも共有させていただきたく
思います。「離職率低下は“目的”ではない。“結果”である」という話についてです。

●「離職率を下げることで安定した組織をつくりたい」自社の離職率の高さに悩む経営者な
ら、誰しもがそう思うのが当然でしょう。しかし、だからと言って「離職率を低下させる」
という、或る意味、(=離職するかどうかの最終判断は“職員”自らが行う、という意味で)
経営者自らの手が届きづらいものを“目的”に据えてしまうと、“職員の声を聞き、問題点
や課題を解決していく”という類の施策だけに終始してしまう、なんてことにもなりかねま
せん。

●勿論、言うまでもない事ですが、“職員の声を聞き、問題点や課題を解決していく”姿勢
はとても重要、かつ効果的なことでしょうし、私自身、この施策自体を否定するつもりも毛
頭ありません(むしろ、大賛成です^^)。しかし、果たしてそれだけで本当にいいのでしょ
うか?誤解を恐れずに言うならば、その施策だけでは、ややもすると“対症療法”“もぐら叩き
”的な問題解決に終始してしまう可能性が高いのではないか、とも感じる次第です(その対策
をどこまで深めるかによっても違うのかもしれませんが)。

●「“目的”というのは本来、自らが“より直接的に”影響出来る範囲で設定するものだ。自ら
の影響力が弱いものを目的として設定してしまうと何とも安定感の無い、腰座りの悪い“対
策”的な視野に終始してしまいがちになる」私が尊敬する経営者から教わった言葉です。で
は、“離職率を低めたい”と考える経営者は果たして、どのような目的を設定するべきなので
しょうか?

●私見ながら、それは、シンプルに“いい会社をつくる”ことなのではないでしょうか。これ
ならば、組織内において多くの意思決定権を持っているであろぅ経営者が“直接的な影響”を
及ぼす事が出来ることなのではないか、と思います。「“いい会社づくり”を経営者自ら責任
をもって進めていく」「その推進の中で職員のモチベーションや帰属意識が高まり、結果と
して“離職率”が下がっていく」―そんな好循環を生み出す事こそが重要なのではないかな、
と思う次第です(勿論、つくるべき“いい会社”はあらためて定義が必要かもしれませんし、
その中の一つとして“職員の意向を定期的にヒアリングし、組織運営に反映させていく”とい
うものも当然入ってくるものと思われます)

●自分自身で読み返してみても少々理屈っぽく感じてしまう内容で恐縮なのですが^^、で
も、やはり、とても大切な事であるようにも思います。さて、この話題(テーマ)、皆様は
どのように感じていただけましたでしょうか?少しでも心に引っ掛かりを感じていただけ
たならば一度、自らの周囲を点検し、「この目的設定は適切なのか?」「本来、目指すべき“結
果”であるものを“目的”に設定してしまっていないか?」等と自問してみても悪くないかもしれ
ませんね^^

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以上、何かのお役に立てれば幸いです。

今日は、兵庫・播州地区にて某社会福祉法人
様と打合せ。

終了後、東京へ戻ります。

皆様は今日、どんな1日を過ごされるのでしょうか?

では、今日も互いに頑張ってまいりましょう!

今朝もお付き合いいただき、ありがとうございました。